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2023.01.16

研究開発型スタートアップの公的資金活用術

当社お問合せフォームよりお問合せ頂いた皆さまに【2023年1月度版】「スタートアップが活用可能な補助金一覧」を贈呈しております。お問合せフォームはこちらです。お問合せ頂いた皆さまには今後当社よりスタートアップ関連情報など発信させて頂く場合がございますので何卒ご了承ください。

 

フォーアイディールジャパン株式会社では「次の世代に繋ぐ責務を果たし誰もがチャレンジできる社会」を目指し3つの挑戦を掲げるとともに、我々の3つの挑戦に共感いただき持続可能な地域社会づくりに向けて取り組むスタートアップを「SDGs STARTUPS」として世に広め事業成長をサポートしていきたいと思っています。

 

本コラムでは、こうしたSDGsSTARTUPの皆様の事業成長のサポートの一環として、いわゆる研究開発型と言われるスタートアップの皆さんが公的資金をよりうまく活用していただくため、当社メンバーがこれまで関わってきた公的資金の知見を踏まえ、ノウハウをお伝えできればと思っております。

なお、我々の3つの挑戦に共感頂けるSDGsSTARTUPメンバーは随時募集しております。ご興味のある方はお気軽にお問合せ頂けると幸いです。

代表取締役社長 杉原美智子 Michiko Sugihara

 

「公的資金の基礎知識」

作成:フォーアイディールジャパン株式会社 ディレクター 花井衣理 Eri Hanai

1. 公的資金のメリット・デメリット

研究開発型スタートアップの皆さんの中には、新たな技術やサービスの開発を自己資金や融資で賄いきれない場合や、資本による外部資金調達が難しい場合や増資によるダイリューションを防ぎたいといった理由から、補助金・助成金といった公的資金を活用したいと思う方も多いのではないでしょうか。

公的資金を活用するメリットとしては、何らかの役務・物品や株式といった「対価の交換」が必要なく、また、金融機関等から融資を受けるのと違い「返済の義務」が無いことがあげられます。メリットだけ聞くとまるで「タダでもらえるお金」のように聞こえるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

以下、公的資金活用に際してハードルとなる点をまとめてみました。

 

 

まず、「情報収集・選定」の段階では、さまざまな機関が実施しているためまとまった情報を得るのが難しく、自社に合った公的資金の見極めが難しいうえ、ようやく見つけたと思ったら募集期限を過ぎていた、といった経験をした方も多いのではないでしょうか。

次に、「申請」の段階では、申請にあたって必要書類を準備する必要がありますが、募集要項や申請書類に記載された用語自体が難解で、申請書を準備するのもなかなか手間がかかります。

最後に、「支払い」の段階ですが、やっと申請が通っても計上できる費目(使途)が限られており、思ったほど活用できないケースもありますし、全額補助されるケースは少なく相応の自己負担が必要だったり、そもそも原則後払いのため一旦は自己負担せねばならず、そのためのつなぎ融資が必要になる、といったケースがほとんどです。

このように見てみると、(当然のこととはいえ、)公的資金は決して「タダでもらえるお金」とはいえません。VCや事業会社からの資金調達の際には入念な準備や交渉をされるスタートアップの皆さんも、公的資金となると「ダメで元々」「数打ちゃ当たる」という発想でたまたま見かけた公募に申請するケースが見られますが、公的資金を効率的かつ最大限に活用いただくためには、他の資金調達手段と同様に戦略を考える必要があるといえます。

 

参考)行政の基本的な価値観(=民との違い)

さて、ここで、行政の方々と日頃やり取りしたことが無い方々のために、行政と民間の主な価値観の違いについても触れておきたいと思います。

 

 

価値観が違えば、意思決定や行動も異なって当然です。公的資金における「価値」や「善悪」の判断基準は、必ずしも自社や金融機関(VC等)と同じではない、ということを認識しておきましょう。

2. 典型的な公的資金のパターンとチェックすべきポイント

公的資金の募集要項には、数十ページにわたって様々な要件や注意事項が記載されており、「どこが重要なのかわからない」「すべての要件を確認できたか不安」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。

ここでは、多くの公的資金で求められる必須要件や事前にチェックするべきポイント、逆に相対的に重要度が低い要件をいくつかご紹介します。これから募集要項を「読み解く」うえで、参考にしてみてください。

(1)多くの公的資金で求められる必須要件

 ①   企業規模

必須要件の1つ目は①企業規模です。

「中小企業」とは、業種・資本金・従業員数によって定義されています。業種によって資本金額や従業員数の基準は異なりますが、「資本金の基準」か「従業員の基準」のどちらかを満たしていれば良いので、どの業種であろうとも、「従業員数が100名以下であればほぼ中小企業」と判断できます。

ここで「ほぼ」と言った理由は、一部のスタートアップでは「みなし大企業」に該当する可能性があるためです。特にレイターステージのスタートアップ企業の皆さんは、この「みなし大企業」に該当しないか確認する必要があります。

 

 

 

 ② 所在地

必須要件の2つ目は「所在地」です。国の補助金・助成金の場合には国内に「所在」があること、自治体の補助金・助成金の場合には当該自治体への「所在」が必要となります。

ここでいう「所在」とは、一般的には「本社または支店の登記」を指しますが、本社の登記のほか「事業の実態」や「拠点(オフィスや工場)の住所」等の場合もあります。

 

 

 

 ③ テーマ

必須要件の3つ目は「テーマ」です。大半の補助金・助成金には、支援対象とする事業テーマや技術分野が設定されています。テーマは補助金・助成金が何を目的として実施されるかによって決められるものですが、実際には然程厳格に運用されていないことも多いようです。多少テーマとずれていると感じる場合でも気後れせず、事業の実施主体の窓口に相談してみてください。

 

 

 

(2)手間や時間がかかるため、申請のハードルとなりやすい要件

 ④   社外との連携

要件の中で要注意なのは、社外との連携を求めるケースです。連携を求める狙いや求められる連携の深度は事業によって異なりますので、各事業の実施主体の意図を正しく理解することが重要です。

例えば、「大企業」や「金融機関」との連携が求められる場合、その狙いは「行政の目利き力を補完してもらうこと」と考えられます。大企業や金融機関からお墨付きを得たスタートアップであれば、事業化可能性が高いと判断しやすいからです。また、「コンサルティング会社」との連携が求められる場合は、スタートアップが得てして苦手とするプロジェクトの適切な進捗管理や経費処理をコンサルティング会社に期待していると考えられます。このようなケースでは、事業の主体はあくまでスタートアップの皆さんであり、連携先はそのサポートや伴走のためのパートナーにすぎません。

一方、「大学・研究機関」や「地元企業」との連携が求められる場合、事業の実施主体である行政機関が真に支援したいのは(スタートアップではなく)連携先の主体である可能性があります。例えば、地方自治体の本来の使命は「地域内の企業を支援すること」ですから、彼らの成長や再生のために地域外のスタートアップを呼び込み、連携して事業開発をしてもらおうとする事業が、様々な自治体で行われています。この場合、(行政からみた)事業の主役はむしろ地域内の企業であるため、スタートアップにとっては「どのような企業と連携するか」が自社の採択にも大きく関わってきます。

 

 

 

 ⑤   行政による認定

公的資金の中には、申請前に公的機関等による認定を受けた事業者のみが申請資格を得る事業もあります。このタイプの事業では、多くの場合、認定に必要な時間は申請期間に含まれていないため、より早期からの準備が必要になります。

ただし、昨今の行政手続きの迅速化の流れをうけ、こうした認定制度は徐々に撤廃(またはWeb等によって簡素化)される傾向がみられますので、直近の募集要項をこまめに確認するようにしてください。

 

 

 

(3)多くの公的資金で求められるが、本質的な重要度は低い要件

最後に、よく記載されている要件ですが、実はそれほど重要ではないと思われるものをあげておきます。文字面ではなく実施主体である行政の「狙い」を理解できれば、これらの要件に対応することは十分可能です。

例えば、「開発の全部又は大部分を自社内で行っていること」という要件について、外部委託の割合が大きいIT系スタートアップの皆さんからご相談をいただくことがあります。しかしながら、この要件の意図するところは、あくまで「事業のコアとなる技術・アイデア・人材等を社外に依存している(=自社の事業とはいえない)事業は排除したい」という、いわば当たり前の話に過ぎません。したがって、このような要件に対しては、外部委託の「量」よりも「質」の問題と理解し、申請の際には事業におけるコアな役割(開発/設計/企画/インテグレーション、等)や権利を自社が担っていることをしっかり示すようにしましょう。

実は、補助金の募集要項の中には、こうした形式的な要件がいくつも紛れ込んでいます。文字面だけを読んで諦めてしまうのではなく、事業の実施主体の窓口に問い合わせる等して真の狙いを理解できれば、申請のチャンスが広がることも多いのです。

 

 

3.さいごに

補助金は直接的な資金を得られるという点では非常にメリットが大きく、デメリットと感じられる申請手続きや報告義務などの手間も得られる金額次第ではメリットの方が大きいとも思われます。

しかしながら、採択されるために場当たり的に補助金の要件に合わせようとする行為(無理やりなパートナーシップ、過剰な資金計画、登記の変更・・・)は、自社の事業方針に大きな変更が生じる結果になりかねません。補助金はあくまで「自社事業」を支援するものです。自社を補助金に合わせるのではなく、「自社に合う補助金」を絞り込み、確実に獲得する戦略を練りましょう。

当社お問合せフォームよりお問合せ頂いた皆さまに【2023年1月度版】「スタートアップが活用可能な補助金一覧」を贈呈しております。補助金額や補助率、時期などが一目で分かり、自社に合った補助金を検討する際に便利です。なお、お問合せ頂いた皆さまには今後当社よりスタートアップ関連情報など発信させて頂く場合がございますので何卒ご了承ください。

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